ぷ の日記

ぷぷぷぷぷ

君が知る

 
君が今まで大好きになって時間や労力も惜しまずただまっすぐ見つめたものの中に、誰かにすすめられたものはあったか。
 
 
私にはない。
 
 
彼氏の大好きだったアーティストの音楽も、
全作揃えている作家がインタビューで紹介していたルーツも、
アメトークで素晴らしさを力説される漫画やアニメも、
世界が認める古典作品でさえ
 
 
なんだか味気なかった。
 
 
好きになるものはいつも不意にやってくる。
 
好きになるものは意識のしがらみをスルスルとかいくぐり心の奥に入り込む。
 
 
私は自分の体験を通してでしか、何かを好きになることができない。
 
「誰かが好きな」という意識は、純粋なものに余計な色を付け足してしまう。
 
一度濁ってしまったものが元の鮮やかさを取り戻すには何年もの時間がかかる。
 
 
じゃあ、私たちはどうやって人にものを勧めれば、それを同じように愛してもらえるのだろうか。
 
率直に言って無理だと思う。
 
結局その人がその人の方法で出会うことでしか、本当の意味で好きになってもらうことはできない。
 
私たちが他の誰かに提供できるのはきっかけだけだ。
 
 
私たちが人にものを勧めるという行為は、
誰かの歩いている道にたった一人通行人を増やす行為であって、
彼らが出会って知り合い仲を深めることができるかどうかは、彼らの人生次第なのである。
 
 
好きはいつも言葉足らずだ。
 
嫌いはその心を刺し深部まで簡単に到達するのに、
好きは時間をかけてしか、いや、時間をかけたとしても、奥にたどり着くことは難しい。
 
 
 
 
BEASTARS、本当に面白いんで読んでください(ここがオチ)
今なら一巻無料で読めるみたいです(これは偶然)